10月 立ちのぼるお香の香り
秋の夜長に
9月の連載をお休みしてすみませんでした。
アメリカのアリゾナ州のセドナという場所に行ってきました。
ここは日本のように四季が鮮明に感じられない地域でありますが、一年を通じて暖かな場所です。
たくさん山登りをしてきました。
そしていつの間にか秋が訪れています。
急に冷え込んできましたので、あわててセーターの準備などをすることになりますよね。
今まで午後6時は明るかったのに、秋分のあたりから夕闇となり、秋の夜長が始まりました。

長くなった夜の過ごし方はどうされていますか?
夏よりお香の出番が多くなったのではないでしょうか?
お部屋の中でお香を焚きながらゆっくりと好きな本を読む。
その時、心地よいソファやベットがあればなおリラックスします。
最近素敵なインテリアの本を見ました。
「シンプル&ラグジュアリーに生きる」という本です。
著者の方のメッセージ性がはっきりと出て、素敵な提案でした。
フランキンセンスとミルラ
フランキンセンスとミルラはイエスの誕生の時に3人の学者が贈り物にたずさえたものの2つです。
言われはいろいろありますが、どちらともこの世の救済を意味しているようです。
フランキンセンスもミルラも樹脂から採取される精油です。
お香の始まりは、香木と呼ばれるような香りの高い樹木を重ねて火を焚いて、その煙を天高く立ちのぼらせることから始まりました。
パヒュームという名前の由来もそこから始まりました。
この煙は神へのささげものでした。
つまり、聖なるものへの敬意をはじめ、香を焚き染めることにより、精神的にも肉体的にもよい効果を与えることができたのです。
その煙の中で祈りや浄化、神や仏の送迎も行われてきました。
ではどのような香木が焚かれていたのでしょうか。
古代地中海にアッシリアという国がありました。
その国では王が神格化していました。
王が天界とのつながりを強めるために、香木を円錐形に盛って焚かれました。
マートル、ガルバナム、ギリョウ、サイプレス、デリアム、シダーウッド、フランキンセンス、ラブダナム、甘松香、ミルラ、マスティック、ジュニパー、オポバルサムなどです。
このような香木が時代と国を経て、お香として今日伝わってきています。
12月近くなるとシナモンの香りなどが懐かしくなりますが、秋の夜長にゆっくり読書をしながら夜なべするには、甘い香りよりスッキリした香りがオススメです。
私は沈香のはいった清清しい香りが好ましく感じます。
感じ方はそれぞれありますので、自分に合った香りを見つけて楽しんでみてくださいね。
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